接し方について
ここまで統合失調症の症状について伝えてきました。
今回は、どのように接したら良いのかお伝えします。
まずは統合失調症の人に共通した気質と行動特性を理解する必要があります。
以下、気質と行動特性を挙げます。
①適度に休むことができず疲れやすい
臨機応変な対応が苦手なため、休んだりくつろいだりすることができず、常に緊張状態をしいられてしまう。一見、ぼんやりしているように見えても、内面的には高い緊張状態にあることが少なくない。
②状況の把握が苦手で臨機応変な対応が難しい
物事を杓子定規にしかとらえらえず、変化を嫌い固定化した行動パターンを守り続けようとするため、頑なな印象が見られる。その時どきの場面にふさわしい態度が取れない。
③状況の変化にもろく、課題に直面すると混乱してしまう
生活面で環境が変わることが苦手。物事の段取りをつけるのが不得意であるため2つのことを同時併行で行なうことができずパニック状態になることがある。
④過去の経験に照らして行動できず、同じ失敗を繰り返しやすい
過去の体験から得られた知識や教訓を経験として自分のものにすることが苦手で、同じ失敗を何度も繰り返しやすい傾向がある。
⑤方便としての嘘をつくことができず、断れない
断る術がわからないため、自身の能力以上のことを引き受けてしまい、心身ともに疲れ果ててしまう。冗談が通じず、生真面目な性格もこれに通じるところがある。
⑥自己像がひどくあいまいで、受動的な態度が目立つ
他人の意見に左右されやすく、他人任せにする傾向がある。時に頑なな態度を見せるが、自己像が曖昧であるため他者に左右されまいと拒絶する防衛的な反応を見せる。
このような特性を理解したうえで気を付けることは3点です。
1 本人と病気を分けて考える
本人の正常な部分と病気の部分をきちんと区別することで、どの部分をサポートすれば良いのかわかります。
2 生活のしづらさを理解する
病気によって障害されている部分を見極めて、本人の生活のしづらさを理解し、本人が無理なくできるレベルを把握します。
3 身の回りのことを自分でできるようにサポートする
統合失調症は、社会・生活機能が低下する病気であるため、回復の過程において身の回りのことを自分ですることが治療につながるのです。
病気の回復過程から自立を目指すという考えが大切であり、根底にあることを理解しておきましょう。